公益資本主義を学ぶ


 【公益資本主義を学ぶ】

第1章:公益資本主義とは何か

原丈人さんの公益資本主義を拝読し

まとめと考えて行かないといけないと言う思いから執筆に至ります。


皆さんは「公益資本主義」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。

もしかすると、最近のニュースやビジネス書で

耳にしたことがあるかもしれません。


しかし、まだまだ一般的な認知度は高くない言葉でもあります。


だからこそ、この記事で一緒に学んでいきましょう。


まず最初に、この公益資本主義という考え方を一言でまとめるならば、


「企業が社会全体の利益を優先して活動する資本主義」

ということになります。


これまで私たちが学んできた資本主義は、

主に「株主資本主義」と呼ばれるものでした。


企業が利益を追求することが正しいことであり、

株主のために会社がある、という考え方が主流だったのです。


企業は株主の利益を最大化することが最も重要な使命であるとされてきました。


しかし、その仕組みが今や限界にきていることに、

多くの人が気づき始めています。


リーマンショック、格差拡大、環境破壊……

これらの問題の根底には「利益優先」の資本主義が

関係しているのではないかと指摘されるようになりました。


公益資本主義は、そうした従来の資本主義の問題点に対する

「解決策」として提唱されている考え方です。


この概念を提唱したのが日本の実業家・投資家である

原丈人(はら じょうじ)氏です。


ただし、この記事では原丈人さんの経歴や人物像に

ついては後ほど軽く触れるにとどめ、

今回はこの考え方自体がどのような特徴を持っているのか

一緒に掘り下げていきます。


公益資本主義の基本的な考え方

公益資本主義の大きな特徴は、

「誰のために企業が存在するのか?」という

問いに対する答えが「社会全体のため」であるという点です。


従来の資本主義では、「株主のため」「経営者のため」が正解でした。


しかし公益資本主義は違います。


「従業員」「取引先」「地域社会」「環境」「将来の子供たち」

といった広い視野での“公益”を目的としています。


つまり、「企業は社会の公器であるべきだ」という考え方です。


この考え方、実は日本の伝統的な経営理念にも

非常に近いものがあります。


たとえば、「三方よし」という言葉を聞いたことがある方も

多いでしょう。

これは近江商人が重んじてきた精神で、


「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」


の3つがそろってこそ、商売は繁栄するという教えです。


公益資本主義は、まさにこの精神を現代的に、

そしてグローバルなスケールで適用しようという考え方なのです。


なぜ今、公益資本主義なのか?

この考え方が今、世界で注目されている背景には

いくつかの理由があります。

まずひとつは、世界規模で格差が拡大していることです。


特に株主資本主義が強いアメリカやイギリスでは、

富が一部の富裕層に偏ってしまい、

中間層が崩壊しています。


企業が株主のためだけに存在すると、

必然的に

「内部留保の増大」「株主配当の増加」「人件費の削減」


などが進みます。その結果、一般の労働者には恩恵が少なく、

貧富の差が広がっていくわけです。


もう一つの理由は、地球環境の危機です。


企業が短期的な利益ばかりを追い求めてしまうと、

環境に対する責任を後回しにすることになります。


環境問題を解決するためには、長期的な視点が必要です。


公益資本主義は、

その長期的な視野を持つ経営の仕組みとして期待されています。


つまり、今の世界が抱える「格差」と「環境破壊」

という2つの大問題に対して、

公益資本主義が大きなヒントになると考えられているわけです。


公益資本主義の基本原則

公益資本主義には、いくつかの基本原則があります。


ここでは代表的なものを簡単に紹介します。


① 株主資本主義の否定

まず第一に、株主至上主義を否定します。


もちろん、株主を軽視するわけではありません。


しかし、株主の利益よりも社会全体の利益を優先するべきだ

というのが公益資本主義の基本姿勢です。


② 長期的視点での経営

短期的な利益追求はしません。

たとえ目先の利益が減ったとしても、

長期的に見れば持続的に成長できる企業経営を行うことが求められます。


③ 地域社会との共生

企業はその地域に根ざして活動すべきです。

地域の雇用を守り、地域の発展に貢献することも

公益資本主義の重要な柱です。


④ 技術革新による社会貢献

企業の利益は、新しい技術やサービスを開発し、

社会課題を解決するために活用されるべきだと考えます。

単に株主の配当のために技術を使うのではなく、

未来のために使うという発想です。


日本企業と公益資本主義

実はこの公益資本主義の考え方は、

日本の伝統的な企業文化とも相性が良いとされています。


たとえば、戦後の高度経済成長期に活躍した

日本の多くの企業は、「終身雇用」や「企業内福祉」に

力を入れていました。


経営者たちも「従業員とその家族の生活を守ること」が

自分たちの使命であると考えていたわけです。


公益資本主義は、こうした

日本型経営の良い部分を取り戻そうという動き

にもつながっています。


ここまでで、公益資本主義がどのような考え方か、

ざっくりと掴んでいただけたでしょうか。


・企業は株主のためではなく、社会全体のために存在するべき
・格差や環境問題の解決策として期待されている
・日本の伝統的経営理念とも相性が良い


これが公益資本主義の基本です。


原丈人さんだけではなく、

この公益資本主義に関わってきた他の著名人たちや、

関連する考え方についても紹介していきます。

より深くこのテーマを理解するための助けになるはずです。


第2章

公益資本主義に関わる著名人たち

前回の第1章では、公益資本主義の基本的な考え方や、

その背景について一緒に学んできました。


今回は少し視野を広げて、この考え方に関わってきた

著名な人物や関連する思想を紹介していきます。


公益資本主義は原丈人さんが提唱した言葉ですが、

実は世界を見渡すと、

同じような考え方に共鳴するリーダーや学者たちが少しずつ増えています


この記事では、原さんの名前だけにとどまらず、

私たちが「これは公益資本主義の一部だ」

と思えるような思想や取り組みを行っている人々をご紹介します。


一緒に視野を広げて考えていきましょう。


原丈人氏の紹介

まず、簡単に原丈人さんについても触れておきましょう。

原丈人さんは、日本の実業家であり投資家でもあります。


もともと理系のバックグラウンドを持つ人物で、

大学では考古学を専攻。


その後、アメリカでIT関連のビジネスを成功させました。


特に彼が注目されるようになったのは、

経済産業省の委員として「公益資本主義」を政策として

提言したことがきっかけです。


「もうけ第一ではなく、社会のための企業活動を」


これを日本だけでなく世界に向けて訴えている人物です。


後ほど改めて触れますが、原さんの経営哲学は、

理系的な合理性と日本的な道徳観が融合した独自のものだと言えるでしょう。


世界に広がる公益資本主義的な思想

公益資本主義と名前が付いているのは原丈人さんが

提唱したものですが、世界を見渡すと似たような

価値観やアプローチを提唱している人物や運動もあります。


ここでは代表的な例をいくつか紹介していきます。


① マイケル・ポーター(ハーバード大学教授)

― CSV(共通価値の創造)

世界的な経営学者であるマイケル・ポーターをご存じでしょうか。


競争戦略やポーターの5フォース分析などで有名な人物です。


このポーター教授が提唱した概念に

「CSV(Creating Shared Value)」があります。


これは「共通価値の創造」と訳されており、

簡単に言えば「企業活動を通じて社会課題を

解決しながら利益も得よう」という考え方です。


CSVでは、環境問題や格差問題などを解決することが

ビジネスチャンスにもつながると考えています。


つまり、社会課題解決と利益追求の両立を目指しているわけですね。


このCSVの思想は、公益資本主義とも非常に

近いものがあります。


違いがあるとすれば、公益資本主義の方がより

「社会への貢献」を強調し、

株主至上主義からの決別を打ち出している点でしょう。


② ムハマド・ユヌス ― ソーシャルビジネス

もうひとり注目したいのが、

バングラデシュ出身の経済学者・実業家であるムハマド・ユヌス氏です。


ユヌス氏は、「グラミン銀行」という

小規模融資(マイクロクレジット)を通じて、

バングラデシュの貧困層の自立を支援してきました。


その功績によりノーベル平和賞も受賞しています。


彼が提唱するのが「ソーシャルビジネス」

という考え方です。これは簡単に言えば、


「利益ではなく社会課題の解決を第一目的としたビジネス」


です。公益資本主義と非常に近い考え方ですが、

ユヌス氏のソーシャルビジネスは利益を配当しない

という特徴を持っています。


公益資本主義では「適切な利益は認めるが、

それをどう使うかが重要」という立場ですが、

ユヌス氏は「利益は再投資して社会課題をさらに解決するべき」としています。


どちらも「社会のための企業活動」を目指している点で共通しています。


③ ローレンス・フィンク(ブラックロックCEO)

― ESG投資

世界最大の資産運用会社である

ブラックロックのCEO、ローレンス・フィンク氏も注目すべき存在です。


彼は2018年、世界中のCEOに向けて

社会的使命がない企業は生き残れない

という趣旨の書簡を送り、

世界のビジネス界に衝撃を与えました。


これはまさに公益資本主義に近い発言です。


さらに近年では、ESG投資(環境・社会・ガバナンスを重視した投資)

が世界的に注目されています。


フィンク氏は「企業は利益だけでなく、

社会への影響を考えなければ投資の対象としない」とまで言っています。


このESG投資も、公益資本主義が目指している

社会像に非常に近いと言えるでしょう。


日本国内の動きと著名人

公益資本主義に近い思想を掲げている

日本国内の企業や経営者も増えてきています。


たとえば「伊那食品工業」という

長野県の企業をご存じでしょうか。


この会社は「いい会社をつくりましょう」という理念のもと、

短期的利益を追わず、社員や地域を大切にする経営を続けています。


その結果、創業以来ほぼ一貫して黒字経営を続けています。


また、稲盛和夫氏(京セラ創業者)も「利他の心」を

重視する経営哲学を説いていました。


公益資本主義と完全に一致するわけではありませんが、

共通点は非常に多いです。


つまり、公益資本主義という言葉を知らなくても、

同じ方向性で企業経営をしている人たちが

少しずつ増えているということですね。


経済学者や思想家との関連性

公益資本主義は、経済学的にもこれまでの

資本主義批判の流れの中に位置づけることができます。


  • トマ・ピケティ…『21世紀の資本』で格差拡大の危険性を指摘。

  • アマルティア・セン…「福祉の経済学」で人間の尊厳を重視。

  • カール・ポランニー…『大転換』で市場経済が暴走する危険性を訴え。


これらの学者たちが批判してきた

「市場の暴走」や「格差社会」の問題を、

公益資本主義が現実の企業経営の中で解決しようとしているわけです。


公益資本主義という言葉は日本発ですが、

実は世界中で似たような考え方が登場してきています。


  • マイケル・ポーターのCSV

  • ムハマド・ユヌスのソーシャルビジネス

  • ローレンス・フィンクのESG投資

  • 日本国内でも共鳴する経営者が増えている


これらすべてが、「企業が社会のためにあるべきだ」

という方向性でつながっています。


第3章

なぜ今の資本主義ではダメなのか?

公益資本主義が必要な理由


これまでに、公益資本主義の基本や、

それに関連する世界の著名人たちの取り組みを見てきました。


でもここでひとつ疑問が湧く方も多いのではないでしょうか。


「今の資本主義だって、うまく回っているんじゃないの?」


「本当に変えなければならない理由があるの?」


今回はまさにその部分に深く切り込んでいきます。


なぜ今、原丈人さんが訴える公益資本主義が必要なのか。


私たち一般の生活にどう関わってくるのか


難しい話ではなく、皆さんの生活感覚に寄り添いながら

一緒に考えていきましょう。


1. 現在の資本主義の問題点

資本主義が悪いわけではありません。


私たちが便利な生活を送れるのも資本主義のおかげですし、

これまで世界中の多くの国が豊かになってきました。


しかし、現在の資本主義には深刻な歪みが生まれているのです。


① 株主至上主義が生む「短期利益優先」の経営

現在のグローバル経済で主流となっているのは

株主至上主義」と呼ばれる考え方です。


これは、企業は株主のために存在し、

利益を最大化することが最優先だという考えです。


特にアメリカ型の経営ではこの思想が強く根付いています。


この結果どうなるか。

  • 利益を短期的に上げるために、人件費を削減する

  • 長期的な研究開発よりも、今すぐ儲かる事業に集中する

  • 赤字部門は即座にリストラ・売却する

つまり、「今すぐ儲けを出せること」ばかりが重視されてしまうのです。

これでは、社員の幸福や地域社会への貢献が後回しになってしまいますよね。


② 富の偏在と格差の拡大

株主至上主義が進むとどうなるか。答えは簡単です。

「一部の株主だけがどんどん豊かになる」

これが現在の世界経済の大きな問題になっています。


経済学者のトマ・ピケティも『21世紀の資本』で格差の拡大を指摘しました。


日本でも同じような傾向が強まっています。たとえば、

  • 大企業は史上最高益を更新しているのに

  • 実質賃金は下がり続ける

  • 正社員よりも非正規雇用が増加


これ、私たちの生活に直結している話ですよね。


どんなに企業が好調でも、

「自分の給料や暮らしが良くならない」という

感覚を持つ方は多いのではないでしょうか。


③ 地球環境や社会問題への無関心

短期的利益を追う経営は、地球環境や社会問題に対して無関心になりがちです。

  • 地球温暖化対策にお金をかけるより、利益を出したい

  • 発展途上国の人々より、自社の株主を優先


こうした状況が続けば、環境破壊や格差の拡大が止まらなくなります


このままでは、いずれ世界中で社会不安が広がり、

経済そのものが立ち行かなくなる危険があります。


2. 公益資本主義が提唱する解決策

こうした資本主義の歪みを是正するために、

原丈人さんが提唱しているのが公益資本主義です。


具体的にどんな考え方なのでしょうか。

① 利益は「社会のため」に使う

企業が利益を上げるのは悪いことではありません。

むしろ健全な企業は利益を生み出してこそ存在意義があります。


ただし、その利益をどう使うかが大事

公益資本主義では、企業の利益は

  • 従業員への適切な還元

  • 地域社会への投資

  • 環境問題への取り組み

  • 新規事業への長期的な投資

などに使うべきだと考えています。


これにより、企業も社員も地域社会も一緒に豊かになる

という仕組みが生まれます。


② 株主至上主義からの決別

公益資本主義は、株主の利益を第一に考える

従来型の資本主義から完全に距離を置く姿勢を取っています。


原さんが提唱しているのは、

  • 株主への配当はほどほどでよい

  • 株価を上げるためだけに経営を歪めてはいけない

  • 本当に社会に必要とされる企業活動をすることが優先

という姿勢です。


これに反発する株主もいるかもしれませんが、

長期的には企業そのものの価値が上がる

というのが公益資本主義の考え方です。


③ 中長期視点での経営

公益資本主義では、「今期の利益」「来期の株価」ではなく、

「10年後、20年後に社会から信頼される企業でいられるか」

を重視します。

  • 長期的な研究開発への投資

  • 次世代の雇用創出

  • 環境保全や教育支援


こうした活動を通じて、

本当に必要とされる企業になろうという発想です。


3. 公益資本主義が私たちに与える影響

では、公益資本主義が浸透すれば私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか。

  • 給料や待遇が適切に改善されやすくなる

  • 非正規雇用から正社員への転換が増える

  • 地域経済が活性化する

  • 環境対策に積極的な企業が増え、子どもたちの未来が明るくなる


こうした変化が期待できます。


原丈人さんが公益資本主義を

普通の人たちが普通に暮らせる社会」のために

提唱しているのは、まさにこのためです。


4. それでも「反対」する勢力もいる

もちろん、この考え方に反対する勢力も存在します。

  • 短期的に儲けたい投資家

  • 配当や株価重視の大企業経営陣

  • 「企業は利益を追うのが当然」と考える経済学者や評論家


公益資本主義が普及するには、

こうした既得権益層との価値観の対立が避けられません。


しかし、これまでに紹介してきた

マイケル・ポーターやローレンス・フィンクのように、

世界の経営者の中でも少しずつ賛同者が増えています。


公益資本主義の理念は決して理想論ではなく

時代の必然として求められている思想なのです。


ここまでの話をまとめると、公益資本主義が必要な理由は次の3つです。

  1. 株主至上主義が格差と社会不安を拡大しているから

  2. 企業が短期利益を追うことで未来を犠牲にしているから

  3. 私たち一人ひとりの生活の安定に直結しているから


この公益資本主義という考え方を通じて、

「企業って誰のために存在するんだろう?」

という問いを私たち一人ひとりが考えることが、

これからますます大切になっていくと思います。


次回は第4章として、実際に公益資本主義が

どのように導入されているのか、

そして今後どうなるべきかについて具体的に考えていきます。


 

第4章

公益資本主義は実際に

どこまで広がっているのか?

ここまで読んできてくださった皆さんは、

もう公益資本主義がどんな理念なのか、

大まかにご理解いただけたと思います。


でも次に気になるのは、

「これって実際に世の中で採用されているの?」

「理想論だけで終わってしまうんじゃないの?」

というところではないでしょうか。


この章では、公益資本主義の考え方が 

すでにどのように現実の社会に広がっているのか

具体例を交えてご紹介していきます。

私たちが生きる社会が

これからどう変わっていくのかを一緒に見ていきましょう。


1. 公益資本主義の理念に近い企業の実例

まず、原丈人さん自身がこの公益資本主義を提唱しながら、

実際に関わってきた事例や、

それに近い取り組みを行っている企業の例を見てみましょう。


① 原丈人さんが関わるベンチャー支援と中小企業支援

原さんは デフタ・パートナーズ という

ベンチャーキャピタルを通じて、

多くのベンチャー企業の支援を行っています。


ポイントは単に 儲かりそうだから投資する というスタンスではなく、

  • その企業が社会に役立つかどうか

  • 将来的に社会課題を解決できるか


を重視して投資している点です。


また、日本国内では 

中小企業基盤整備機構(中小機構) の役職も

務めたことがあり、中小企業が地域経済の担い手となるような

政策提言も行ってきました。


原さんは、「中小企業こそが日本の経済を支える基盤であり、

公益資本主義の主役になれる」と繰り返し述べています。


これは単なる理念ではなく、

実際の政策提言・事業支援の場でも積極的に動いてきた実績です。


② 世界的に注目される「CSV経営」の実践例

前の章でも紹介した マイケル・ポーター の提唱する

  CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造) は、

公益資本主義とほぼ同じ概念と言って良いでしょう。


このCSVを積極的に導入している企業の例を見てみましょう。


・ネスレ(スイス)

ネスレはCSVを経営の根幹に据え、以下のような取り組みを行っています。

  • 貧困地域における農業支援 → 持続可能な原料供給を確保しつつ地域の生活改善

  • 水資源の保護活動 → 自社工場の持続的操業と地域住民の生活水準向上


・ユニリーバ(イギリス)

ユニリーバも「サステナブル・リビング・プラン」

という持続可能な成長戦略を掲げています。

  • 環境負荷を半減しながら事業を拡大

  • 途上国での衛生改善活動と自社商品の販路拡大を両立


つまり、「企業の利益と社会貢献を同時に追求する」という取り組みは、すでに世界中の巨大企業で本格化しています。


③ 日本でも始まっている動き

日本国内でも、実は公益資本主義的な発想を取り入れ始めている企業があります。


たとえば、

  • オムロン … 社是「われわれの働きでわれわれの生活を向上し、より良い社会をつくりましょう」を掲げる

  • ヤマトホールディングス … 環境配慮型物流、地域密着型サービスに注力

  • 日本電産(現・ニデック) … 創業者の永守重信氏が「従業員の幸せ」を最優先に掲げる

これらは明確に「公益資本主義」という言葉を

使ってはいませんが、方向性としては一致しています。


④ 原丈人さんが国際舞台で行ってきた活動

原さんは日本国内だけでなく、国際舞台でも積極的に公益資本主義を広めています。

  • 国連経済社会理事会(ECOSOC)での提言

  • G8(主要国首脳会議)での発表

  • ダボス会議への参加

これらの場で繰り返し訴え続けたことで、世界的にも少しずつ認知が進みました。

もちろんまだ十分とは言えませんが、

こうした活動を通じて 世界の一部のリーダー層には確実に響いているのです。


2. なぜ普及が遅いのか?

一方で、「でも全然聞いたことがない」という声も当然だと思います。

では、なぜ公益資本主義はなかなか浸透しないのでしょうか。

① 既得権益との対立

最も大きな理由はやはりこれです。

短期利益で儲けたい株主や投資家たちが反発するから

公益資本主義が広がると、

短期的な株価上昇や高配当が望みにくくなるため、

一部の投資家層から激しい抵抗を受けます。


② 目に見える効果が出るまでに時間がかかる

長期視点の経営は、今すぐ成果が出ないため、

「本当にうまくいくのか」という不安がつきまといます。


すぐに利益が欲しい企業経営者にとっては、

公益資本主義的な発想は勇気がいる選択です。


③ 日本のメディアであまり報じられない

もうひとつの理由として、

日本のメディアではこの公益資本主義の考え方が

あまり紹介されてこなかった点も挙げられます。


  • 難しく聞こえる名前

  • 派手さがなく取り上げづらい内容


こうした理由で、メディア受けしにくいのが現状です。


3. それでも広がりつつある理由

では、公益資本主義がこのまま消えてしまうのかというと、

決してそうではありません。


今、公益資本主義が再評価され始めている理由があります。

① 環境問題の深刻化

  • 気候変動

  • 海洋プラスチック汚染

  • 水資源の枯渇


これらの問題は企業の経営にも直結するため、

社会課題と無関係では生き残れない」ことが世界中で認識されつつあります。


② 消費者の意識変化

  • フェアトレード商品を選ぶ

  • 環境負荷が少ない企業の製品を買う

こうした「意識ある消費者」が増えてきたため、

企業側も社会貢献型ビジネスへシフトせざるを得ない状況になりつつあります。


③ 投資家の意識変化(ESG投資・インパクト投資)

世界の大手投資家も 「環境・社会・ガバナンス(ESG)」

を重視した投資を進めています。


ローレンス・フィンク(ブラックロックCEO)が

ESG投資を推奨しているのは、

まさに公益資本主義的な考え方の浸透を意味しています。


4. 日本が公益資本主義を採用するメリット

特に日本にとって、公益資本主義が浸透することには大きな意味があります。

  • 人口減少社会 → 地域経済の再建が不可欠

  • 少子高齢化 → 労働環境の改善と持続可能な経済が必要

  • 格差拡大の抑制 → 安定した中間層の育成が重要

これらの課題を解決するためにも、

中小企業が主役となり公益資本主義を実践していくことが急務なのです。

 

ここまで見てきたように、公益資本主義は まだ過渡期にある考え方です。

でもその理念は 確実に世界の潮流に近づいてきている と言えます。

  • もうからない理想論 ではなく

  • 持続可能で安定した社会をつくるための必然

として、これからますます必要になる思想でしょう。

この公益資本主義をどうすればより広げていけるのか、

そして私たちに何ができるのかを一緒に考えていきたいと思います。

 

第5章 世界経済・日本経済における意義

ここまで、公益資本主義の理念や実例を見てきましたが、

次に考えたいのは

「そもそも、これが世界や日本にとってどれほど重要なのか」

という点です。


私たちがこのテーマに関心を持つ意味はまさにここにあります。


この章では、公益資本主義が

世界経済全体の方向性にどのように関わってくるのか

そして日本経済における意義を具体的に見ていきます。


世界経済の変化と公益資本主義

まず、世界経済の大きな流れから考えてみましょう。


近年、世界経済は急速なグローバル化とともに

多国籍企業が圧倒的な影響力を持つ時代へと突入しています。


GAFAに象徴される巨大IT企業、

さらにはエネルギー・資源関連企業などが、

国家をも超えるほどの経済力を手にしつつあります。


この現象自体は資本主義の進化形のようにも見えますが、

裏を返せば「一部の企業や投資家だけが富を独占する構造」

がより強化されているとも言えます。


そしてこの集中が進むほど、

格差の拡大政治的な不安定さが世界中で深刻になっていくのです。


そこで公益資本主義の意義が浮かび上がってきます。


公益資本主義の基本的な考えは、

企業は利益だけでなく公共性も追求するべきだというものでした。

この思想が世界経済の中で広がっていけば、

「儲けた企業が社会に貢献する」という流れが自然に生まれます。


それは結果として、富の極端な集中を緩和し、

貧困や不安定要因を軽減していく役割を担うことができるのです。


近年、アメリカでも「株主第一主義」から

「ステークホルダー資本主義」への転換が叫ばれています。


これは公益資本主義の思想とも通じています。

これからの時代、環境保護・人権配慮・地域社会への責任など、

企業が社会全体を意識した経営にシフト

していかなければならない背景が確実に存在しているのです。


SDGsやESG投資との関連性

世界的に注目されているSDGs(持続可能な開発目標)

ESG投資(環境・社会・ガバナンスを重視する投資)も、

この公益資本主義と密接に関わる概念です。


SDGsは国連が掲げる目標であり、

貧困の撲滅や環境問題の解決などを重視しています。


一方、ESG投資は「社会にとって良い企業」に

積極的に資金を供給する動きです。


これらは「儲かれば何でも良い」という

旧来型資本主義からの脱却を促す世界的潮流であり、

公益資本主義はまさにその根幹思想に近いものだと言えます。


つまり、公益資本主義が提唱している企業の在り方は、

今後の世界経済が進むべき方向性と見事に一致しているのです。


日本経済における意義

では、日本にとってこの公益資本主義は

どのような意味を持つのでしょうか。


ご存じのように、日本は高度経済成長期の成功体験に

強く影響されてきました。

高度成長期からバブル期までは、

「利益を追求する=社会を豊かにする」と

素直に信じることができる時代背景があったのです。


しかし1990年代のバブル崩壊以降、

日本経済は長く停滞しています。

その間に、日本企業も次第に「短期的な株主利益

にばかり目を向けるようになりました。


これが非正規雇用の増加賃金の抑制を招き、

結果として国内の消費低迷へとつながっています。


この悪循環を断ち切るためには、

「企業が利益を出してもそれが社会に循環しなければ意味がない」

という発想が必要です。


原丈人さんが特に日本で公益資本主義を提唱しているのは、

日本こそが公益資本主義の実現に最適な土壌

持っていると考えているからです。


なぜなら、日本には元々「三方良し」という

近江商人の考え方が根付いていました。

「売り手良し、買い手良し、世間良し」。

つまり、商売をして利益を得る際に、

相手の利益や社会全体の利益も考えましょう、という文化です。


これは公益資本主義の考え方と非常に相性が良いものです。


また、日本の中小企業は地域密着型の経営が多く、

本来ならば公益的な発展を遂げやすい特徴を持っています。


実際に第4章で紹介したように、

すでにいくつかの企業では公益資本主義に

近い理念で経営をしているところもあります。


もしこの動きがさらに広がれば、

日本全体がもう一度活力を取り戻す可能性も決して小さくはありません。


政治と公益資本主義の連携の必要性

ただし問題もあります。

それは政治との連携がまだ不十分であるということです。


現在の日本の政策は、

未だに「経済成長至上主義」の色合いが強く、

公益資本主義の理念が法律や政策にしっかり

反映されているとは言い難い状況です。


実際に原丈人さんは内閣府の参与を務めていた

時期もありましたが、根本から政策が変わるまでには至っていません。


しかし、ここで私たちが無力だと嘆く必要はありません。


むしろ企業や個人が率先して公益資本主義的な行動を積み重ね、

それを政治へと働きかけていくことが重要です。


逆にいえば、日本が再び輝きを取り戻すための

ラストチャンスがこの公益資本主義にあるとも言えるのです。

 

現在の政治との関係性について

公益資本主義の理念と政府の経済政策との接点として、

近年注目されたのが内閣府に

「新しい資本主義実現会議」が設置された事です。


この会議自体には原丈人さんはメンバーとしては

参加していませんが、外部からの政策提言という形で

原さんが政府に働きかけてきた事例があります。


具体的には、2022年に内閣府を通じて

「公益資本主義の推進に関する提言」を

提出した事実が確認されています。


この提言では、中小企業支援や公益性を

重視した資本主義モデルの必要性が訴えられ、

政府関係者との意見交換も複数回行われたことが記録されています。


また、原丈人さんは内閣府参与(過去)の経験があり、

政府への政策提言活動を継続して行っている人物としても知られています。


こうした活動を通じて、原さんの提唱する

「公益資本主義」の理念が、岸田政権の経済政策に

少なからず参考にされている側面があることは間違いありません。


ただし、現時点で確認できるのは「提言活動を行った」

という事実のみであり、政策決定過程に

どの程度反映されたのかまでは明確ではありません。


それでもなお、日本経済の将来像を考えるうえで、

公益資本主義の思想と岸田政権の「新しい資本主義」

との親和性は高いといえそうです。


世界と日本の架け橋としての公益資本主義

さらに言えば、日本がこの公益資本主義の思想を

主導して世界へ発信していくという可能性もあります。


日本が独自のモデルとして公益資本主義を

社会の仕組みに落とし込めば、

それが新しい資本主義の手本として国際的に認知されていくかもしれません。


特にアジア圏におけるリーダーシップを考えるとき、

日本が単なる経済力だけでなく

倫理的なリーダーシップを持つことは非常に意味のあることです。


公益資本主義が世界経済の方向性にマッチしているからこそ、

日本にとっても国際社会の中で再評価されるきっかけになる。

その意義は計り知れません。


ここまでは理念や可能性を見てきましたが、

当然ながらすべてがバラ色というわけではありません。


第6章 課題と批判

ここまで、公益資本主義の理念や実例、

そしてその世界・日本における意義について見てきました。


共感できる部分が多かったという方も多いのではないでしょうか。


私も個人的には非常に納得できる考え方だと感じています。


しかし、どんな理念にも課題や批判が存在するのが現実です。

公益資本主義も例外ではありません。


理念としては美しいが、実現が難しい

まず最初に挙げられるのが、

「理念としては素晴らしいが、

現実として実現が難しいのではないか」という批判です。


たしかに公益資本主義の基本は

「企業が社会にとっても良い存在であるべき」

という非常に理想的な考えです。


しかし問題は、それをどうやって実行に移すのかという点です。


現代のグローバル資本主義においては、

株主資本主義の圧力が非常に強いのが現実です。

特に上場企業においては、「いかに株主へのリターンを最大化するか」

が常に求められています。


もし公益性の高い事業に取り組んで利益率が一時的に低下すれば、

株主からの批判にさらされることになりかねません。


さらに、グローバル競争の中で

熾烈な戦いを繰り広げている企業にとっては、

「きれいごとを言っていたら生き残れない」

という冷徹な現実もあります。


このため、多くの企業にとっては

公益資本主義の理念と現実の利益追求がぶつかってしまう

というのが、最大の課題の一つなのです。


経営者の倫理観に依存してしまう

次に指摘されるのが、

経営者の倫理観に過度に依存してしまうという問題です。


公益資本主義の基本は

「企業は利益だけでなく公共の利益も追求すべきだ」


という考えですが、それを具体的に実現するための

法制度やルールが不十分です。


結果として、最終的には経営者の人格や倫理観に頼る形になりがちです。


これは非常に不安定な基盤だとも言えます。


どれだけ素晴らしい理念を掲げても、

それを経営者が本気で取り組まない限り、

単なるスローガンに終わってしまうからです。


日本の中小企業や家族経営の企業であればまだしも、

大企業になればなるほど「公益」よりも

「株主利益」が優先されやすいのが現状です。


実際に、環境問題や人権問題を軽視したまま

業績を伸ばしている企業もいまだに存在しています。


利益と公益のバランスの難しさ

また、仮に経営者が本気で公益を目指したとしても、

利益とのバランスをどう取るのかは非常に難しい問題です。


例えば、環境保護のために製品の原料を高価なエコ素材に

切り替えた場合、その分だけ製品の価格が上がり、

消費者が離れてしまうリスクもあります。


また、地域社会への貢献活動に積極的に取り組んだ結果、

本業の成長が鈍化してしまえば、

企業そのものが長続きしない恐れも出てきます。


公益を追求するあまり本業が疎かになってしまっては本末転倒です。


企業として存続できなければ公益活動自体ができなくなってしまいます。


この「どこまで利益を求め、どこまで公益を追求するか」

線引きが極めて難しいのが公益資本主義の大きな課題です。


経済成長との関係性が不透明

さらに、公益資本主義が直面するもう一つの批判としては、

「経済成長との関係が不透明だ」という点があります。


従来型資本主義は

「競争による効率化 → 利益拡大 → 投資増加 → 経済成長」

という流れが一応成立してきました。


それに対して公益資本主義は

「社会に貢献 → 長期的に企業価値向上 → 結果として経済にも良い影響」

という間接的で時間のかかるプロセスを想定しています。


つまり、短期的な経済成長という意味では即効性がないのです。


これに対して懐疑的な声を挙げる経済学者や実業家も少なくありません。


公益をどう定義するかの難しさ

さらにもう一つ深刻な課題として挙げられるのが、

公益をどう定義するか」という問題です。


「公益」という言葉は非常に良い響きがありますが、

具体的に何が公益で、何が公益でないのかを決めるのは難しいのが現実です。


環境保護が公益であることは多くの人が納得するでしょう。


しかし、例えば「地方自治体への寄付」や「文化芸術支援」が

どの程度公益性があるのか、

その優先順位や価値判断は人によって異なります。


つまり、企業が「これが公益だ」として取り組んでいる活動が、

本当に社会にとって有益なのか判断が難しい場合が多々あるわけです。


このままでは企業側の一方的な自己満足

終わってしまう危険性も否定できません。


日本社会の制度的な問題

また、日本社会の制度的な課題も見逃せません。


例えば、公益資本主義を後押しするための

税制優遇法整備がまだまだ不十分です。


現状では公益活動を積極的に行っても、

それが企業の明確なメリットになるとは限りません。


加えて、日本の労働市場では未だに

短期成果主義が根強く残っており、

「公益活動に時間や資金を費やす経営」が

評価されにくい風潮もあります。


このため、公益資本主義を本格的に普及させるためには、

法制度改革や税制改正が必須となります。


しかし、そのためには政治との連携が必要であり、

既得権益との対立も避けられません。


それでも前に進む意義

ここまで課題や批判を挙げてきましたが、

それでも私たちが公益資本主義に関心を持つべき理由は変わりません。


なぜなら、これまでの従来型資本主義が生み出してきた限界や弊害を、

私たちはすでに肌で感じているからです。


格差の拡大、環境破壊、地方の衰退。

これらはまさに「利益だけを追求してきた結果」と言えます。


公益資本主義は、それらを本気で変えようとする挑戦であり、

理想論で終わらせるのではなく、

実際に取り組むことで少しずつでも社会が変わっていく可能性を秘めています。


だからこそ、この課題や批判に真正面から向き合いながらも

「それでもやるべき」理念として価値があるのです。

 

第7章 私たちがどう活かすか

ここまで、公益資本主義とは何か、

その意義や課題についてじっくり学んできました。

理念としての美しさも、現実としての難しさも、

どちらも避けることなく見てきました。


では、私たち一人ひとりがこの考え方をどう生かしていけばいいのか


ここからは、私たちが

できること・やるべきことについて提案していきます。


企業選びを意識する

まず最初に挙げたいのは、消費者としての意識改革です。


私たちは毎日、何かしらの商品やサービスを購入しています。


その「お金の使い方」が、

企業の活動を後押しする力になっているということを、

もっと意識してもいいのではないでしょうか。


例えば、同じ価格帯の製品が並んでいるとき、

環境配慮型の商品地域貢献している企業の製品

積極的に選ぶ。それだけでも十分に意味があります。


公益資本主義を広げていくためには、

企業側だけでなく消費者側の変化も不可欠です。


企業が「社会に良いことをしても売れる」

と確信できれば、それがまた新たな公益活動につながっていくはずです。


つまり私たちは、「買い物は投票である

という感覚を持つだけで、

社会に少しずつ良い変化をもたらすことができるのです。


働き手としての視点を持つ


また、私たちは労働者としての立場も持っています。


勤めている会社が公益性のある事業にどれだけ関わっているか、

そこに意識を向けることも大切です。


もちろん誰もがすぐに転職したり、

起業したりできるわけではありません。


しかし、自分の仕事が社会にとってどんな意味を持つのか

考えるだけでも、視野が広がります。


もし可能であれば、自分の会社に

「こういう社会貢献活動をしてみてはどうでしょうか」

と提案してみるのもひとつです。


最近ではSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みに

積極的な企業も増えていますから、

意外と社内でも理解が得られる場合があります。


「公益資本主義」という言葉そのものを社内で

出すのは少しハードルが高いかもしれませんが、

「この事業は社会のためになると思います」

という視点で発信していくことは十分に可能です。


投資家としての行動も変えられる


今の時代、

個人でも株式投資や投資信託を通じて企業に関わる機会が増えています。


公益資本主義を支援する視点から、

ESG投資(環境・社会・ガバナンスを重視した投資)や

インパクト投資と呼ばれるものに関心を持つのも一つの方法です。


最近ではESG関連のファンドも多数存在し、

「利益だけでなく社会貢献も意識した投資」が少しずつ広がっています。


投資と聞くと一部の富裕層だけが関わる世界のように

思われがちですが、少額から始められるサービスもあります。


「お金を増やすため」だけでなく、

「社会に貢献するための投資」という視点

これからは求められていくでしょう。


政治や政策にも目を向ける

さらに忘れてはならないのが、政治との関わりです。


公益資本主義が社会全体に普及していくためには、

やはり法整備や税制改革が必要です。


そのためには、私たち一人ひとりが

政治にも関心を持つことが重要になります。


選挙のたびに「誰が公益資本主義に理解を示しているか」

「誰が公益性を軽視しているか」を

見極める視点を持つだけでも、

社会全体の流れが変わっていく可能性があります。


原丈人さん自身も政策提言活動に積極的に関わっていますが、

それを実現していくためにはやはり国民の関心の高さがカギを握ります。


これからの時代、「政治は別世界の話」と思わずに、

自分の生活や仕事とも深くつながっていることを

改めて意識していく必要があるでしょう。


完璧を目指さなくていい

ここまで読んできて、「そんなにいろいろはできない」

「自分一人がやっても意味がない」と

感じた方もいるかもしれません。


ですが、完璧を目指す必要はありません

公益資本主義というのは、「利益だけを求める社会」から

「利益と公益の両立を目指す社会」への方向転換の提案です。


一人ひとりができる範囲で少しずつ行動していくことが大切なのです。


買い物のときにちょっと意識する。


仕事で小さな提案をしてみる。


応援したい企業に少額投資をしてみる。


これらの積み重ねが社会の空気を変えていきます。


これからの社会のために

最後に私が強く伝えたいのは、

私たちの社会がこれからどうあるべきかという視点です。


経済だけが成長しても、地球環境が壊れたり、

地方が衰退したりする社会は決して豊かとは言えません。


全体として「持続可能な発展」をしていくことが、

本当の意味での豊かさだと私は考えています。


公益資本主義は、

そうした持続可能な社会をつくるための一つの方法論です。


決して万能ではありませんし、課題も多いですが、

それでもこの方向に社会が動いていくことで、

より多くの人が幸せを感じられる未来が開けていくのではないでしょうか。


この記事が、皆さんにとって

公益資本主義という考え方を理解するきっかけになり、

そしてこれからの行動に少しでも役立てていただければ幸いです。


ともにこれからの社会を良くしていくために、一歩ずつ歩んでいきましょう。

 

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